エコフルタウンとINAXライブミュージアム

『 エコフルタウン 』
 未来の低炭素社会を体験できる展示施設。
 愛知県豊田市にある 『 とよたEcoful Town 』を体験してきました。
 自然の力を上手に使い、快適に生活できるエコな住環境をパッシブファーストといいます。
 建物の建て方としては、断熱、気密、通風、採光、日射遮蔽などを考え、
 自然と設備機器を上手に共存させてムリのない省エネを実現させるという考え方です。
 今回、エコフルタウンの様子をほんの少しですがご紹介しております。
 詳細については、https://toyota-ecofultown.com/ をご覧ください。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

施設に入るとすぐに壁面緑化のパビリオンが出迎えてくれました。

壁面緑化はヒートアイランド対策ですが、これまで商業施設に多くみられましたが、近年は一般住宅にもみられるようになりました。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左の建物は、LIXILの最新の環境設備を体験できる新築住宅 ギャラリー棟。

右はギャラリー棟2階バルコニーの様子。
季節によって変わる太陽の高さや方位、日射量を考えて採光計画を立てます。
庇を深くとることで遮蔽効果をあげ、夏の熱を効率よく遮り、冬は日射角度が低い為、効率よく熱を取り込むことができます。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左のサッシの開口は、高さ182㎝と低く設定してあります。
少し低いですが、空間に高さと広がりを出す為、あえて鴨居を低く設定したそうです。
でも実際には2m位欲しかったですね。

中央はリビングダイニング。

右の写真は、木造でも広い間口、大空間を実現できる『スマートスケルトンゲート』を採用して設けた階段。
壁や柱がなくすっきりした空間に仕上がります。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

上は階段室と吹き抜け部分。

進化した渦巻効果や誘因効果で風の通り抜けを考えて設計してあるそうです。

左側のサッシから風が入り、階段室の上方へ風が通り抜けるのを実際に体感出来ました。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左は、平屋の在来住宅をリフォームしたリフォーム棟の入口。

右はリフォーム棟のリビングダイニング。

天井は傾斜天井にしてあり、こちらも風の流れを考えて設計してあります。

地窓と高窓が設けられており、温度差換気で風を取り入れるしくみになっています。

機械設備も取り入れてあり、暖められた空気や、冷やされた空気が循環できる様、床にも換気口が設けてありました。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左はキッチンから中庭の様子。
反対側にもサッシを設けてあり、風が流れる様に設計されています。

右:建物の断熱性能を高め、外気温からの影響を抑えてヒートショックの心配を失くします。
外壁と庇の間に換気口を設けてあり、屋根裏を通った空気がここから抜ける様になっています。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

中庭、縁側を設け、植栽や水場を造る事で、風の温度を下げるという、古来から日本の家屋にみられる知恵を取り込んでありました。

左は、縁側から玄関ポーチを見た様子。

右は、縁側から庭を見た様子。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左:洗いだしのタイルに地元、常滑焼の瓶を埋めこんだデザイン。おしゃれに仕上がってました。

右:洗面室に設けた空気が循環する為の換気口。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左:防弾チョッキに使用されている
アラミド繊維を使った耐震補強材。

右:国土交通大臣認定の耐震金物。
ハードロックⅡ。

『INAXライブミュージアム』
愛知県常滑市にある『INAXライブミュージアム』。紀元前から近代までの世界のタイルが展示されています。
日本で唯一のタイル博物館です。素敵なタイルや陶器が展示されています。一見の価値有り!ぜひ一度足を運んでみてください。
詳しくはhttp://www1.lixil.co.jp/ilm/をご覧ください。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左:世界タイル博物館の入口。

中央:博物館の中の様子。
中に入ると、真っ先にターコイズブルーの青いタイルが目に飛び込んできます。

右:階段の踏面、蹴上共タイルが貼ってありました。住宅にもぜひ取り入れたいですね。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム

カーブを描いたタイルの壁面が、
何処かの外国を思わせます。

この壁と手摺が目に飛び込んできた時は、ハッとして思わずみとれてしまいました。
全体的な色合いや曲線のフォルムが素敵で、タイルレンガを使用しているところも魅力的でした。

この透かし模様は、星や十字型を組み合わせて出来た模様。
イスラームのモスクや宮殿によくみられます。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

上は、この常滑に実際にあった窯の中を公開してるものです。
粘土質の製品を石炭で焼成する時、岩塩を投入して高温で焼くと、表面に釉薬がかかった様になります。この窯のレンガも元は素焼きでしたが、塩釉が付着して表面がツルツルに。この状態になるには50年かかるそうですが、今では大気汚染の問題からこの工法は禁止されています

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

上の写真は、建物内の2階部分から見た窯の様子。煙突、窯、建物共当初から現在の場所に。非常に大きな窯で、窯本体と煙突は国の登録有形文化財に指定されています。ほとんどそのままの姿で保存されている為、今でも当時の様子が伺えます。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム

施設内の天井の様子。
大空間を支える為に何本もの梁が入っています。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

左は、明治時代の土管。
それまで木や石の管が主流でしたが、近代化が進み、地中に埋設できて強度のある土管に代わっていきました。
ソケットで少しずつ繋いでいった様子がわかります。

右は、当時の技術で最大口径の土管の一部。
ドラえもんのマンガに出てくるコンクリートの土管は、この後登場するそうです。横に人が立つと、大きさの違いがわかります。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

白地に青の染付の便器。
緑に青の染付もあります。
どちらも明治時代の便器。
日本の当時の技術や、美に対する感性の素晴らしさを同じ日本人として誇りに思います。
今でもこんな便器があったら欲しいですね。
館内の施設、陶楽工房のトイレは、白地に青の染付の洋便器でした。

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

上のグリーンの石は、世界最古のタイルだそうです。
大英博物館に6個の展示。
ここタイル博物館には8個も展示が有るそうです。
大英博物館に貸出出来る事が唯一プチ自慢らしいですが、全然プチじゃないですよね!
スゴイ事です!

エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム
エコフルタウンとINAXライブミュージアム

上のタイルは思わず写真を撮ってみたくなったもの。
一番右の写真は、
頭部を着色したクレイペグと呼ばれる円錐形のモザイクタイルを一つずつ壁に貼っていったもの。
何万個ものタイルを使っている為、立体感が出てました。


以上、朝から夕方まで1日かけて見学、体験してきました。
エコフルタウンとライブミュージアムで勉強してきた事を、今後に活かしていけるようにと思っております。

※尚、風の通り道や換気設備の配置などのパッシブ設計は、その土地の周辺の地形や住環境を把握しなければいけない事。
省エネ設備の導入、HEMS、蓄電池の導入などは、専門的に計算した上での配置、導入となる為、実現するまでに時間と費用がかかります。したがって、新築の場合もリフォームの場合も、先ずはご相談にお越しいただいて、現地調査した上、ご要望をまとめてからの御見積りとなります。その為、御見積りにはお時間がかかります。お電話で簡単にお答えは出来ませんので何卒ご理解ください。